正しい紳士服の選び方

人からどう見られるかは3秒で決まる

人が人を判断するためにはさまざまな判定基準があることでしょう。言葉遣い、所作、そして身だしなみと、初対面の人に対してのイメージというものはそのように「目で見てわかる部分」からしか抱くことはできません。

その後深く話してみて「この人はイメージとだいぶ違う」と感じたり、「だらしなく見えて実は良い人だ」と感じたりするかもしれませんが、「相手を知る」ということは実は能動的な気持ちがないと実践できないもので、一般的な商談相手やあまり関わりのない職場の同僚などは、こちらから積極的に接しない限りなかなか深く知ることができないものなのです。そして、別に深く知らなくても仕事は成立します。その人がどんな人であるのかを深く知らなくても、ビジネスは進行するのです。

不思議なもので、人は自分が「特に興味がない」と感じた相手に関してはどこまでも冷徹です。自分が知りたいと感じない以上は、相手に対して深く接しないもので、それが「マナー」だと考えている人もいるほどです。逆に、親しくなれば相手に対してより親近感を持ちたいと考えることもあるようで、自分のことを知ってもらったり、相手と過ごす時間を増やしたりしてより相互理解を深めようとします。その「入口」としての「第一印象」があります。第一印象が良くなければ、相手のことを知りたくもないし、さらに言えば不快に感じてしまうと相手と「関わりたくない」とまで感じるようになってしまいます。

ビジネス上においての第一印象というものは、それほどまでに後々のコミュニケーションを左右します。相手に対して好感を持っているときにはビジネス上でもより良い条件を出したり、さらには新しい案件でもっと仕事を発展させたりするものです。逆に相手が「嫌い」とまで感じるようになってしまえば、相手とコミュニケーションを取るのが「嫌」だということになってしまうかもしれません。そうなると、相手と関わる時間を少なくするためにビジネスを意図的に縮小してしまうかもしれません。

身だしなみひとつで決まる第一印象によって、その後のコミュニケーションがここまで変化してしまうのです。これがイーブンな立場なのか、それとも「営業している」という立場なのかによっても大きく変わります。こちらから営業をしかける立場であれば、相手から「関わりたくない」と感じられてしまうことは職務上の大打撃となります。関わりたくない人と仕事を進めることはできないものですから、自然と相手は引いていくばかりでしょう。そうすると成約など望めないのです。

スタイルひとつが人の第一印象を左右し、第一印象がその後のビジネスを左右します。第一印象は「一度きり」のものです。2回「初めて会う」ということはできないものですから、最初の瞬間を大切にすることでその後の可能性を大きく広げることになるのです。身だしなみがビジネスに大きく関わるということは明らかであり、身だしなみを気にしない人は「自分の仕事はどうでもいい」と言っているようなものでもあるのです。仕事をキッチリとこなしたいのであれば、まずは自分の足元を固めるところからはじめるべきでしょう。だらしないスタイルの人はいつまでたっても大成しません。