正しい紳士服の選び方

面接の時の基本的なスタイル

働きはじめるためには、その会社に「入社」する必要があります。会社にとって「社員」は財産であり、会社の能力の最小単位でもあります。ですから「その人はこの会社に合っているかどうか」を十分に見極めてから採用することになります。

そのための「審査」そのものといってもいいのが「面接」です。仕事は「人」が行うものですから、コンピューターや工作機械とは違い、書類上のスペックだけでは計れないものが多々あります。どのような意識で仕事に取り組むのか、どのような姿勢でその仕事に臨むのか、困難に直面したとしたらどのように乗り越えるのかなど、その「人」を見て、その人と話して判断するのです。それは単純に人の優劣ではありませんし、会社の風潮というものもあります。黙っていうことを聞く人がいいのか、自分でどんどん意見を出す人がいいのか、それは職務にも依りますし、仕事にも依ります。そのようなことを判断される「場」が面接です。

自分の収入、生活を変えることになる「面接」の場ですから、相応の複数で臨みたいものです。ただ受け応えが丁寧なだけでは当然面接には受からないものです。人が人を判断するためには3秒の時間があれば良いといいます。そして、その3秒で持った印象が、その人に対する印象のほとんどになります。どのようなスペックを持っていたとしても、どのような実績があったとしても、その3秒間で相手に対して不快感を抱かれてしまうと、面接を通過することは難しいでしょう。

そのための武装はさまざまなものが必要です。どのような質問に対しても考えて答えることができるような知性と機転、自分のことをしっかりと相手に伝えることができるコミュニケーション力、そして「見た目」です。会話というコミュニケーションを開始するまでの時間、相手が自分に対してどのような印象を持つのかを左右する唯一の武器が、「自分の見た目」なのです。

人は体型もバラバラですし、顔もバラバラです。ハンサムな人もいれば、そうではない人もいます。ですが、どのような人であれ「自分を商品としてうまく見せることができるかどうか」が問われます。初対面で好感を持ってもらえるかどうかが問われるのです。そのような場に挑む服装は、自分の人生を左右するといってもいいくらい重要です。

面接の際のスタイルと、実際に働く際のスタイルは別のものであると捉えた方がいいでしょう。面接には独特の流れがあり、通過儀礼としての側面も強いものです。ですが、相手もそれをわかっているため、「普段のあなた」を見たいわけではないのです。普段のあなたではなく、そのような礼が必要な場でどのように振る舞うのかということを判断したいのです。ですから、いくらフランクに話すといっても礼を逸したスタイルでは効果がないのです。「場をわきまえることができるかどうか」ということが求められています。

面接用のワイシヤツは白で、ネクタイも青系の質素なもので、さらにスーツは丁寧に手入れされたものでなければいけません。靴も新品の革靴、カバンもシンプルなものが望ましいでしょう。髪がだらしなく伸びているなどということは言語道断です。そのようなスタイルで自分を演出できるかどうかが問われるのです。