正しい紳士服の選び方

クリーニングはどれくらいの頻度?

スーツはなかなか自宅で洗うことはできません。それは家庭内での洗濯が「水洗い」を基本としているからです。スーツの大半はそれらの水洗いに耐えられるようにはできていないのです。

スーツは「ドライクリーニング」という洗浄方法を必要としているものです。「ドライ」とはすなわち「水を使わない」洗い方です。ドライクリーニングは専用の「オイル」を用いて衣服を洗う方法です。これには適している汚れと適さない汚れがあります。オイルで洗い落とすことができるのは「油脂性の汚れ」に限られるのです。対して「水溶性」の汚れに関しては、ドライクリーニングでは落ちることはありません。

スーツが汚れた際、また長く着ていて少し着心地が悪くなった際、クリーニングに出そうとするのは基本的なことではあります。ですが、それでも日々の「水溶性の汚れ」は落ちることはないということです。人間の身体から出る老廃物は「水溶性」です。つまり日々の予後に関しては、ドライクリーニングでは落とすことはできないのです。この皮脂の汚れにもっとも晒されるのはスーツの「パンツ部分」です。足の部分の肌着を着用する人は少ないものですから、かいた汗や皮脂の汚れなどはダイレクトにパンツに吸収されてしまいます。

それらの汚れから守るためにパンツだけでもローテーションさせたいものですが、ローテーションさせていたとしても、着用する以上は汚れるものです。それらの汚れは蓄積するとやがて「臭い」を発したりするのですが、それすらもドライクリーニングでは解決しません。脱臭スプレーなどが必要になるでしょう。

どちらかというと、クリーニングに出す本来の理由は「シワが目立つ」など「カタチ」に起因することが多いものです。スーツの「汚れ」ではなく、「型」を整えるためのクリーニングであると解釈すればいいのではないでしょうか。クリーニング後のスーツはまるで仕立てたばかりのように整った形になっているものです。日々の着用でシワだらけになってしまったスーツを、再度整ったものにするためのドライクリーニングと捉えてはどうでしょうか。もちろん、ドライクリーニングでは「油脂性」の汚れも取ることはできるので、キレイにならないわけではありません。

そう考えると決まったクリーニングの頻度というものはなく、「シワが目立つな」と感じた時に出せばいいのではないでしょうか。着ていれば絶対にシワができますが、スーツに関しては自分でアイロンをかけるなどもなかなか行いにくいものでしょう。毎日仕立てたばかりのようなスーツを着ている人などはいません。ほとんどの人が何日も着ているスーツを、またその日にも着ているのです。

ただ、クリーニングに出せばカタチだけは整います。一番多いパターンとしては「長い休みの際に出す」というケースがもっとも多いです。少し連休があるときに、連休明けにリフレッシュしてまた着ることができるように、休みの間にクリーニングに出すのです。あとは月に一度と決めている人もいます。

つまり、クリーニングの頻度は自分がどれだけそのスーツを着こむのかということにも関係してくるものなのです。あまり着ないようであれば、クリーニングの頻度はもっと少なくてもいいかもしれません。頻繁に着るようであれば、頻繁に出すものです。