正しい紳士服の選び方

カフスボタンは必要か

ビジネススタイルにおいて忘れてはいけないのが「Yシャツ」の存在です。Yシャツを着用することは、ネクタイをしないことよりも一般的なことです。 ワイシャツの着こなしは人によってバラつきがあります。柄の入ったYシャツ、純白のYシャツ、その他さまざまなYシャツがあり、数着持てるような価格で販売されています。それらのYシャツの着こなしのなかで、「袖のボタン」の取り扱いは人によってわかれるところです。どのようなYシャツにも袖にボタンがついているものですが、それとはべつに「カフスボタン」というものがあります。カフスボタンはYシャツの袖口を止めるために用意された小物です。

もともと、紳士服ではそこまでオシャレを行うことも難しいもので、スーツの形や色というのはある程度決まっているものです。その中でどのような着こなしを行うかという、限られたコーディネートなのです。ネクタイを止めるネクタイピンの存在も同じです。タイピンは別につける必要はないのですが、人によっては欠かせないという人もいることでしょう。それと同じ次元で、「カフスボタン」の存在があります。紳士服の中で数少ない「オシャレ」のポイントでもあります。ただ、ネクタイピンとは違って、このカフスボタンは取り扱いが微妙なところです。

一般職に就いているような人がカフスボタンを装着すると少し「嫌味」なのです。それが営業の場であれば、相手に対して過剰に自分のファッションをひけらかしているようにも思えます。相手によってはそれが原因で商談を成立させないということもあるかもしれません。袖にはボタンがついていますから、そちらで固定したら良いはずだからです。ネクタイピンとは真逆のイメージが、カフスボタンではついてしまうのです。そのため、カフスボタンを持っていても一般的な仕事中にはつけないという人の方が多いのです。

これが「ドレッシー」な場であれば、例えばパーティなどの華やかな場であればカフスボタンをつけることで普段とは違う着こなしの自分を演出することもできるでしょう。それがTPOなのです。普段の営業の場にカフスボタンは、実は必要ないのです。相手もオシャレであり、一般的以上に見た目に気をつけているような取引先であれば、自分をそこに近いものにするためにカフスボタンを装着してもいいかもしれませんが、一般的な場では必要ありません。

ただ、ひとつくらいはカフスボタンを持っていてもいいかもしれません。「ドレッシー」な場の中でも一般的なものに「結婚式」がありますが、社会人として生きていると結婚式に招待されることは多々あるからです。そのような場では、普段とは違う着こなしをする方が場に馴染めることになるかもしれません。

スタイルを一変させるといってもいい小物が「カフスボタン」です。ちょっとした存在であるのに、見た相手に全然違った印象を与えることができるアイテムであり、その効果は高いものです。ただ、普段使いにはちょっと度が過ぎているかもしれません。必要のない場では、無理をしてつける必要はないのではないでしょうか。これが「立場」などがともない、「威厳」として自分を表現したいのであればハナシは別ではあります。