正しい紳士服の選び方

シワだらけのスーツではいけない

スーツをはじめとした紳士服は高いものです。そう何着も持てるようなものでもないですし、家庭で簡単に洗濯できるようなものでもありません。その割に、毎日着用しなければいけないのですからタチが悪いというものです。

ファッションにはさまざまな着こなしというものがあります。本質は自由であり、どのような形をとっても良いのですが、スーツに身を固めるビジネススタイルにおいては、あまりバリエーションは多くありません。むしろ、「型にはまる」方が整って見えるのですから不思議なものです。カジュアルスタイルであればわざと崩して見せたり、サイズを極端にずらしたりすること自体が「ファッション」であることになるのかもしれませんが、紳士服のコーディネートにおいては、そのようなことは通用しません。

毎日着用し、かつ洗濯ができないものであるからこそ、日々の手入れが必要です。毎日クリーニングに出すわけにもいきませんし、かといって何着も持てるものでもありません。仕事のために着るものに対して、あまり費用をかけたくないという方もいるでしょう。ただ、だからといってあまりいい加減にしているとすぐに傷んでしまうのがスーツをはじめとした紳士服です。ですので、せめて日々の手入れくらいはしておきたいもので、さらには「シワができるようなしまい方をしないということも心がけたいものです。着用し終わってからはしっかりとハンガーなどに吊るしたり、ホコリや汚れはその日のうちに除去したり、汚れが目立つようになったらクリーニングに出したりすることが大切です。

形状記憶などを謳っている製品であっても、いつまでもシワができないというわけではないのが普通です。着ている以上は痛むものですし、着ている以上は汚れもつきます。頻繁に買い換えたりすることができないものである以上、手入れをしっかりと続けることで長持ちさせることもできます。

また、形上はしっかりとした服装に身を包んだとしても、その実シワだらけであったり、汚れていたりするとせっかくのコーディネートがまったく意味のないものになってしまいます。毎日着ているからこそ、劣化に気が付かなかったりするものです。自分では気がつけないそのスーツの痛みが、実は初見の相手に気づかれたり、その結果「だらしない人だ」と判断されたりするものなのです。仕事の本質と服装には何の関係もないのですが、だからこそ、このような些細なことで自分の評価を落とすようなことになっては「損」なのです。

しっかりとした服装に身を包むということは、チリやシワに対しても気を払うことでもあります。自分では気が付かなくても、相手はすぐさまそれに気がつくものなのです。その結果思いもよらない評価を受けたり、仕事が失敗してしまったりしても、もったいないのではないでしょうか。「服装なんて」と考える人こそ、このような部分に気が付かないものなのです。さりげなく、細部に至るまで気をつけることで、不要な「悪印象」を回避することができるのです。「仕事」をするためにはそれなりに必要なことがあるのです。「たかが服装」と考えるのであれば、気を払うことでムダなビハインドを背負わなくても済むということだけは意識しておきましょう。