正しい紳士服の選び方

「服」と「言葉」は同じほど重要

コミュニケーションを左右する「言葉」は、ビジネスのどのような局面においても重要です。言葉は相手の耳に対して訴えかけるものですが、同時に「目」に対しても訴えかける身だしなみは言葉と同じくらい重要なものなのです。

人は嘘をつきます。そして、人が嘘をつくということは誰もが知っていることです。そのような人に対する「警戒心」は誰もが心得ていることであり、また成長する過程で教わったり、社会生活を送る中で身にしみて覚えたりするものです。だから私たちは「知らない相手」とは「距離」を考えて接するものなのです。距離を考えるということは相手のことを「計っている最中」ということになります。相手が誠実な人なのか、信じても良い人なのか、計っているということです。

その中にもいくつか段階があります。特に現在では対面しなくても相手とコミュニケーションが取れるツールがいくつもあります。電話で話さなくてもビジネスが成立することも多々あるのです。そのような中で「メールではいいことを言ってはいるし、対応も素早い」とう評価、「メールでは丁寧だけれども電話ではなんだか話し辛い」という評価、そして「メールでも電話でも素っ気ないけれど実際に会ってみると好感が持てる」という評価などがあります。人と人の関係、特にビジネスにおいて「会う」ということは時と場所を共有するという意味では重要なことです。関わる案件のプライオリティも高いものになっているでしょう。

その「会う」というビジネス上プライオリティが高い局面で、相手に対してどう感じるのかということが、「印象」や「評価」にとってはもっとも重要な項目となります。それはその「場」、その「機会」を私たちが重要視しているためです。ビジネスは相手がいてはじめて成立するものであり、その「相手」は生きた人間であり、生きた人間はそれぞれ個性があり、自分との相性も考える必要があります。その「相性」が実はビジネスにおいてもっとも重要な項目になり得るのです。

話していて心地いい相手、会っていて楽しく過ごせるような相手というものがあるのではないでしょうか。そのような相手と接するときは、その機会が楽しみになるということはないでしょうか。利害が絡んだ相手との会合が楽しいということは、ビジネスがスムーズに進んでいるということです。相手先にそのように感じてもらえることが出来れば、それが「営業」であった場合、自分の成績はどんどん上がっていきます。そのような「場」を左右するのが自分自身の「服装」であったなら、そこにこだわらない営業マンはいないはずです。

自分のスタイルひとつでビジネスが大きく変わる。売り上げが大きく左右されるということであれば、自分自身の服装に関する出費は「投資」になるのではないでしょうか。別に高いものを買えばいいというわけではありません。TPOを考えて、適切なスタイルを用意すればいいだけのハナシです。現在ではそのようなことに無頓着な人が増えているようです。それはそのまま「機会の損失」につながることです。機会を損失するということは、そのまま売り上げの減少、収益の減少、個人レベルでは収入の減少に繋がります。