正しい紳士服の選び方

紳士服と靴の関係

ビジネススタイルというものは、はじめての方にとってはとても厄介なものです。髪型、ワイシャツ、スーツ、靴下、そして「靴」に至るまで気をつけなければいけないのです。

ビジネスシューズは一般的にいうところの「革靴」です。どのような靴屋でも見かけるものですが、これを選ぶのがまた一癖あるのです。これらのビジネスシューズは実に不合理に出来ているもので、通気性は悪い、メンテナンスが大変、さらには踵がすぐに潰れるというようなこともあります。営業マンにとっては「歩く」ということは一般的なことかもしれませんが、これらのビジネスシューズはその「歩く」ということに対しての利便性があまりにも低いのです。

よく見かけるものに、上辺はビジネスシューズ、底を裏返して見るとスニーカーのように接地面が滑りにくくなっているものがあります。これは営業マンにとっては嬉しいもので、雨の日でも滑りにくく、また底が減りにくいという利点があります。ただ、これらのタイプの革靴ではあまり靴の底を人に見られたくないもので、革靴の様相を呈している上の面と、スニーカーのような下の面のギャップが、人にとっては違和感を与えることになります。また、場によってはそのようなタイプの靴が似合わない場面もあり、靴底が「たいら」でなければフォーマルとして成立しないということも考えられます。

ただ、「足元」に関しては案外人に見られることも多いもので、足元がしっかりしていないビジネスマンは軽く見られます。潰れた靴を履いていたり、明らかに汚れた靴を履いていたりするだけで、「この人は仕事ができない」、あるいは「見た目を気にしないガサツな人」というような評価を受けてしまいます。そのようなことを回避するためにも、足元にも気を払う必要があります。

革靴の一番の弱点は「踵」です。歩いていれば踵は潰れるものですが、この潰れ方が一様ではありません。歩き方、姿勢によってさまざまな踵の減り方をするものです。内股の人であれば靴の内側が、O脚の人であれば外側から潰れていきます。足を組んだりすることが多い人、立つ際に片方の足に重心をかけることが多い人も、それぞれ独特の潰れ方をします。

タチが悪いのはこの踵の減り方と靴の上辺部分の劣化が比例しないことです。上から見たらまだまだ履けるはずの靴が、踵だけが潰れて履けない状態になっているということも考えられます。そのような状態はもったいなく感じるもので、あきらかに歩く際にも違和感を覚えるため履けたものではないのですが、ぱっと見の状態ではまだ新しく感じるのです。

そのようなときにはその靴を修繕に出すのがいいでしょう。デパートや駅などに店を構えている「靴修理、鍵のコピー」のサービスを用いるのがいいでしょう。それらのサービスに出すだけで、潰れた踵は修繕され、さらには靴を磨いた状態にしてくれるのです。より長くその靴を履いていたいのであれば、それらの靴の修理サービスを利用してなるべく長持ちさせてあげるのがいいのではないでしょうか。また踵が潰れないような歩き方を研究するのも手かもしれません。

ビジネスマンにとって案外重要な足元ですが、少しの配慮が「ビジネスマンとしての質」を向上させることになるのです。