正しい紳士服の選び方

ビジネス上で「身だしなみ」は重要なポイントです。身だしなみがしっかりしていなければいい仕事が出来るとは感じられないのが現代の社会です。そんな私たちの身だしなみを支える「紳士服」は、しっかりと選ばなければかえって違和感を与えてしまったりするものです。

紳士服といえば、「カジュアル」とは対局に位置しているようなイメージです。実際にスーツからワイシャツ、靴から靴下に至るまで、紳士服は「硬いイメージ」と思っている方が多いのではないでしょうか。何となくコーディネートが難しいと感じていたり、バリエーションも少なく「ワンパターン」なのでつまらないと感じていたりしないでしょうか。

ですが、実際は紳士服ほどコーディネートの難しいスタイルはないのです。ただスーツを着ればいい、ワイシャツを着ればいいというわけにはいかないのが紳士服でのスタイルです。仕事のために毎日スーツを着るという人は、逆に毎日同じものを着用するのが当たり前になってしまっているかもしれません。ジャケットを毎日使い回し、気づけばヨレヨレになっていたりするのではないでしょうか。

不思議なもので人は人のことを「見た目」で判断してしまうものです。特に初対面の場合、初見から3秒でその人の印象を固めてしまうようです。「印象」というものはその後のコミュニケーションを左右するもので、悪いイメージを持ってしまった相手とはなかなか良い取引ができないものです。お互い心象を良くすることで、良質なコミュニケーションが取れるようになります。仕事はコンピュータのプログラムのようにはいかないもので、相手と自分のコミュニケーション次第でどうとでも変化するものです。そのコミュニケーションを支えるのが「相手はこういう人なのではないか」という「印象」です。

ビジネス上の相手に対して「どう見られるのか」ということが身だしなみの最大のポイントであり、決して自己満足で「これが今時」などと選ぶものではないのです。さらに、年齢や職種、立場などによっても適切なスタイルがあります。一介の営業マンが「ダブルのスーツ」を着ることは明らかに異質ですし、社長がリクルートスーツに身を固めるのもおかしなハナシでしょう。その時、その人、その場にあったスタイルというものがあり、それを如何にして嗅ぎ取り、如何にして自分に合うようにアレンジするのかが大切なのです。

これはカジュアルでのコーディネートよりもずっと難易度の高いものであり、且つビジネスを左右するものでもあります。ワンパターンになってしまいがちなビジネス上のスタイルですが、実はその状況にあったものを選ばなければ「違和感」がずっと残ることになってしまうのです。その違和感は「この人は大丈夫なのか?」という信用判定に発展することもあります。

正しく紳士服を選ぶことは、社会で認められるための第一歩でもあるのです。ただ選ぶのではなく、自分の仕事や立場、着用する「時」を考えるのが大切なのではないでしょうか。適切なものを選ぶことで、さらに引き締まった仕事ができるようになるのです。服装が意識や仕事を左右するのです。決して軽んじてはいけません。「みんなが着ている」という理由で選んだりしない方がいいのです。